絶対、南極に行きたくなくなる本

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)

不肖・宮嶋南極観測隊ニ同行ス (新潮文庫)


死んでも南極には行きたくありません。この本を読めば誰もがそう思うはず。


元々行きたかったわけでもないし、南極の知識なんてタロ・ジロとペンギンくらいしかなかった私ですが、南極に対するイメージが恐怖に変わりました。


「南極の話おもしろいよ〜」と元・日本軍大佐クラスのヒゲを生やす、友人のヒゲ魔人君に借りたシリーズパート3は前回も紹介した報道カメラマンの宮嶋茂樹さん、通称「不肖・宮嶋」の本です。今回は「負傷・宮嶋」と名乗ったほうがいいくらい、メチャクチャにやられた宮嶋さんでした。


かねてから南極に行きたいと思っていた宮嶋さん。そんな彼の元に南極観測隊にオブザーバーとして同行しないかというなんとも都合の良い話が舞い込んだ。「写真だけ撮ればいい」と軽く考えていた宮嶋さんはウキウキ気分で浮かれていた。しかし、現地では地獄の肉体労働と苛酷な南極生活が彼を待っていた…。


まぁ、こんな感じの本なんですがホント悲惨でしたね、宮嶋さん。カメラマンですよね? 職業って。それが、「犬ソリを使って15分おきに来るヘリコプーターからの荷物を一日中運ぶ」って、奴隷じゃないですか! 捕虜じゃないですか! 強制労働じゃないですか! 写真撮ってないじゃないですか!


その写真ですが、前半のホンの一部のみペンギンやらアザラシやらを撮っていますが、その後は人物写真と建物などしか撮っていません。原因は辺り一面、白・白・白なので撮るものがないのです。ひど過ぎます。カメラマンの仕事がでません。不詳・宮嶋


そして、想像を絶する南極という環境。では、本の表紙をごらんいただきたい。おわかりいただけたであろうか。宮嶋さんのヒゲが凍っている。これは鼻から吐く息が一瞬で凍ったもの…とでもいうのだろうか。


いや、実際そうらしいです。吐く息が凍るそうです。もし、友人のヒゲ魔人君が行ったらどえらいことになりますね。


とにかく南極がとてつもない環境であること、南極観測隊が生死を削って働いているということこの二つのことを私は言いたい。いや、私は知りたい。身内ネタですまない。