あちきの好きな作家について 400W

『恩人・伊坂幸太郎
「小説は退屈なもの」と思っていた私に友人が伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』を勧めてきた。
友人は「絶対に伊坂幸太郎に侵されるよ」と強引に渡し、嫌々ながら読み始めた一時間後、私は「伊坂ワールド」に全身が侵されていることに気付く。
物語の冒頭から何重にも張り巡らされた伏線が登場人物の一字一句を見逃すことを許さず、その伏線が一つの線に繋がっていったときの爽快感は、小説に抱いていた嫌悪感を一瞬で吹き飛ばした。
また、フィクションを絶妙なバランスで物語に織り交ぜることで「現実にありそうだけど絶対にあり得ない話」を構築し、フィクション過ぎない物語がたまらなく面白かった。
それ以後、私は『ラッシュライフ』『グラスホッパー』『魔王』などの過去の作品を一か月で読んでしまうほど伊坂幸太郎の魅力、読書の魅力に取りつかれていった。
伊坂幸太郎は私にとって小説家ではない。私に読書の素晴らしさを教えてくれた恩人である。


ゴールデンスランバー

ゴールデンスランバー

ラッシュライフ (新潮文庫)

ラッシュライフ (新潮文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

グラスホッパー (角川文庫)

魔王 (講談社文庫)

魔王 (講談社文庫)